汚れたかけら
加藤

くずれていくものを見上げては
全て終わったような気がした
ここにあるものが全てくだけたら
破片も残らず消えたらいいけれど

私がいられる唯一の場所がなくなってから
その場所を必死で探し続けている

どうでもいいと朝を迎え
朝の陽射しにあきらめを感じたのに
こわれればこわれるほどあきらめきれなくなって
くずれればくずれるほど濃く固まっていく
望めば望むほど強く生きて行く

いろんな所が欠けても
ここからは離れられない
生きることだけが残っている
ここにいる限りずうずうしく残っている
重いかけらは唯一の証


自由詩 汚れたかけら Copyright 加藤 2012-10-30 00:24:07
notebook Home 戻る