感傷に溺れて笑う日曜に
ただのみきや
今日は素晴らしき日曜だ
嵐に弄られる街路樹と
無意味に転がる棒切れが
呼吸のように入れ替わる
ペテンのような日曜だ
あなたの瞳の奈落に潜む
鬼火のような問いかけは
閃くごとにこの身を食んで
虹色の詠嘆 秋風に
ふるえては鳴く冬虫夏草
器を反してしまうなら
いのちは流れ虚ろが残る
弦のない琴を響かせる
この月明かりもまた幽霊
わたしにだけ陰影を彫る
今日は誰かの腹の中できりきり痛む日曜だ
欺瞞の皮袋に穴を穿つ日曜だ
どこかの誰かが書き込みだらけにした古本を
紙魚ごと閉じて振り回し誰彼構わず殴りたい
そんな健気な感傷だ
脱いでは掛ける日曜だ