流れ星をつかむ
kauzak
遠い星を見つめて
丘のうえ爪先だちで
手を伸ばしてみる
遠い
遠いんだと実感する
掴めるものは何もない
墨色の空/新月の空
星はこんなにも
たくさん瞬いている
風が吹いている
頬で受け止めている感触に
名前が無いことに気付く
言葉にできないだけなのに
何だか寂しい
僕はこんなに弱いのか
星が流れる
また爪先だちで
手を伸ばしてみる
けど伸ばしきる前に
視界から消える
間に合わないことが多すぎて
降り注ぐ星の光を浴びながら
間に合わなくてもいいんだ
そう素直に思う
遠くて早くて
それでも手を伸ばし続ける
名前のない今を生きるために