孤独な流星。
元親 ミッド

ああ、加速していく
もう自分にも誰にも止められない。

ああ、加速していく
紅蓮の炎の尾を引いて
その全てが燃焼している。

もう、わけがわからない。

ただ、この世の深い深い漆黒の闇の中を
延々と、延々と、永遠に
長いこと、長いこと、旅をして
今、ようやく無の闇を抜けようとしている。

青い宝石のような、惑星(キミ)をめがけて
燃える、燃える、燃えて。
輝き、輝き、輝く。

もう自分ではどうにもならない。

このどうしょうもなく恋焦がれる
いままさに飛び込もうとしている
そんな僕は、あなたにキスをしたいのに
もしかするとそれもかなわないかもしれない。

燃えれば燃えるほど
輝けば輝くほど
小さくなって、小さくなって

ふっっと

燃え尽きてしまうかもしれないから。

でも、それでもいいんだと
思ってしまう自分もいる。

だって、この加速が
この燃焼が、そうして輝くということが
大変に、大変に心地よく
たとえ燃え尽きてしまったとしても
僕が、僕であることを
証明してみせている
その一瞬であると思えるし

あのとこしえの
さびしい闇を旅してきたのが
無駄ではなかったんだと思えるのだから。


自由詩 孤独な流星。 Copyright 元親 ミッド 2012-10-28 13:29:25
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