スマートフォンの向こう側
かんな



セックスのあとで
めずらしく君が眠っている
男は眠るものだろうか
君は起きていることが多いようにおもう
日常には官能がおちている
おち窪んでいる
せいかいに近づくには
どこかまちがいを冒さなければならない
ようなことが多い
電話をしていると
スマートフォンの向こう側の風景が見えるように
現実はもっと透明になればいい
いちいちつまらない嘘などつかなくても
歯車が回ればいい
君がとなりで寝返りを打つたびキーを叩く
そしてしずかにできるだけあおく
ひたいにキスをする






自由詩 スマートフォンの向こう側 Copyright かんな 2012-10-27 18:08:23
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