点と線
高瀬

いつまでも吊りさがっている
きみたちの残像はかたどられて
切り揃えられた爪も
ほどけてしまう
蹴りあげた砂さえ、

不確かならば
つながれない点と線
結べないまま
いまを問いつづけたらば
行き止まり、
辿りついてしまって
指標は赤い境界線
いつか埋めてしまった小指の先を
覚えていたかった
のに

句点から芽はでないから
読点に花は咲かないから
温室は惰性を失って
もうじき枯れてしまうだろう
わたしは、

境界線をこえるため
さがしている
いまを

解体する、ことばを


自由詩 点と線 Copyright 高瀬 2012-10-26 22:29:42
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