やさしいきつね
千波 一也
なにかが見えなくなりそうで
やさしいきつねは
雨をきらう
なにかが聞こえはしないか、と
やさしいきつねは
雨をしたう
その
ときどきの気持ちにまけて
やさしいきつねは
雨をいろどる
今夜のねどこと
ごちそうをうたいながら
やさしいきつねは
雨をみる
自由詩
やさしいきつね
Copyright
千波 一也
2012-10-25 23:39:05