あなたにパイを投げる人たち
るるりら




やぶれた帆を持つ幽霊船のような障子から
指穴ほどの照準窓から目が のぞき

その目は 富士山麓の鸚鵡の帰りを待ち
わたしの逃げ場を俯瞰し

すべてのものが 見事に該当して故郷である 見えない世界
大陸を縁取る海溝のような故郷を通じて連携を保ち

笑いながら
踊りながら
泣きながら
脅しながら
愛を込め憎しみをもって
人々が手に手に投げる そのπは
全部 綺麗な放物線を描き
私めがけて 投げられたのは 

全部 お見通しだ

だか
明星より遠くに 時を越えて飛んでいったπだけが
わたしの おでこで破裂し
わたしは目覚めた

そして 私は そんなあなたに パイを投げる



自由詩 あなたにパイを投げる人たち Copyright るるりら 2012-10-22 07:48:10
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るるりらの 即興ゴルゴンダ