眠るふりをして目を開いている
ホロウ・シカエルボク





真夜中に破水する
完結しなかった気分
ディスプレイの明かりだけが
生き残った部屋の中で、ああ…

生活の残像
こびりついた窓
送信済みのメールと
届かなかった手紙
ローリング・ストーンズの古いブルース
薄い壁を揺らす誰かのエンジン

今夜、約束される眠りはあと僅かな時間でしかない
眠るふりをして目を開いている
そうしていればまるでなにかが
上手く消化されるんだと思ってるみたいに

乾いた肌を掻いて、夢の世界へ行きなよ
こんな時間に出来ることは
特別やる必要のないものと大差ない
懸命さが何かを保証してくれるわけじゃない

誰かと誰かが別れたなんて話を
馬鹿みたいな滑舌の女2人が話しながら通って行く
ぼんやりと眠くなり始めた頭にウンザリしながら
あいつらの頭に落としてやる手頃なものについて考えている…







自由詩 眠るふりをして目を開いている Copyright ホロウ・シカエルボク 2012-10-20 04:27:46
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