とつとつと
もっぷ

風を脱がされた雨が淋しげに
吶吶と落ちている
かなしみだ
わたしのかなしみのうつしみだ

晒されて
ほら聴こえる
よおく聴こえる
嘲笑い

わたし、宛て





風に捨てられた雨がどんなにか
かなしいか
知っているかい
ただ落ちることしかできない
落ちて落ちて落ちて
どこまでも
落ちてゆくことしかできない
そして滲みてゆくだけ

地に
ただ、地に

行き場なく袋小路
当て所なく夢は潰え
何もかもが裏目に出て
周囲は目配せをするいまだ


そして一斉に
待つ
のだわたしが早くナイフを出さないか、と
そのナイフで身を切って果てないか、と

風、失ったわたしの末路はそうやって訪れる


自由詩 とつとつと Copyright もっぷ 2012-10-17 21:42:40
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