宇宙列車
うみこ

夜の道を
あの人のような街灯を
見ていた
白線の
ぼやけた先の終着駅へ
白い獣が
のそのそ
歩いてゆく

光が途切れるとき
黒い獣に襲われて
あのブチは
シロからクロへ変わった
白いブチは
車にひかれて死んでしまったと
噂がたつけど

ちがうちがう

僕は見ていた
シロはクロのブチに変わった
そして次に宇宙列車が出発の汽笛を轟々と鳴らし

途端に白鷺が空を埋め尽くして
一気に朝が来て
みんな昨日の真夜中の出来事を
夢だと思ったり
忘れたりしていった


自由詩 宇宙列車 Copyright うみこ 2012-10-15 09:12:57
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