時に非ずの
ドクダミ五十号




春を待てずに 窓辺にて

花ほころびを 愛しむ日

過ぎ去りし時 在りゝと

時にあらずに 致しこと

咲いて萎れて はらゝと

悲しきこころ 黄泉帰る

嗚呼最早 其の時来ぬと

言うならば 蕾はかたく

閉じた侭  葉は落とせ

根は腐れ  茎は倒れて

朽ち果てて 地に混ざれ

幸いに  入る墓もなし

何を嘆くか 眼をひらけ

時ならずとも  美しく

定めを知らず ただ素直

理屈は外に 捨てて泣け


自由詩 時に非ずの Copyright ドクダミ五十号 2012-10-14 02:49:33
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