玄関口
草野春心



  銀色の泥棒が気配を殺し
  しとしと駆けてゆく
  暢気なマーチのような
  秋枯れた並木道



  なにか、この先必要なものを
  玄関口に忘れてきた
  そんなふうな顔をして
  うつむく
  きみの足もとには
  赤く彩られた木の葉





自由詩 玄関口 Copyright 草野春心 2012-10-13 12:52:58
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短詩集