秋の夢
草野春心



  金色の水がつたうと
  かたく四角いその壁は
  栗鼠のようにまるくなる
  ひとびとの話す声が
  物陰にひしと隠れる秋  
  きみの舌は木枯らしをつかみ
  それからねむたげに掌をひらく
  「さあ、
   おいで」
  僕の見た
  ただ一度の
  陽の光に満ちた夢




自由詩 秋の夢 Copyright 草野春心 2012-10-10 22:30:49
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