深夜の音
もっぷ

できないこと
それは人並みのこと
それが多すぎる自分を
鏡に映す

鏡は冷酷じゃない
うそを映してくれる
許すように
そっと

なにもかもを捨てようか
たずねてみた

いのちも?

鏡はたずね返してきた
だから
うん、それもありかな

正直にその
瞬間を

置いてみた
二人のあいだに
すでに鏡は人格を持っていて
いま、わたしは一人じゃなかった

できないこと
それは相対の話でしょう

彼は淡淡してる

絶対

を知っているかい
問われて
不安になった
親しかったはずの哲学が
ばらばらに
崩れてゆく音がした


自由詩 深夜の音 Copyright もっぷ 2012-10-10 22:06:16
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