深夜の音
もっぷ
できないこと
それは人並みのこと
それが多すぎる自分を
鏡に映す
鏡は冷酷じゃない
うそを映してくれる
許すように
そっと
なにもかもを捨てようか
たずねてみた
いのちも?
鏡はたずね返してきた
だから
うん、それもありかな
正直にその
瞬間を
置いてみた
二人のあいだに
すでに鏡は人格を持っていて
いま、わたしは一人じゃなかった
できないこと
それは相対の話でしょう
と
彼は淡淡してる
絶対
を知っているかい
問われて
不安になった
親しかったはずの哲学が
ばらばらに
崩れてゆく音がした