戦争、
空泳



  静けさに爪をたてるように
  戦争という字を書く
  音もなく
  思いもなく
  ただ戦争、という字を書く
   

  限定された空に
  浮かんでいる人を描く
  なぜ飛べるようになったのか
  聞いてみると
  声もなく叫んだ
  戦争、という形を


  生きている時間だけが
  脈をうっている
  その血液に流れているだけなのだ
  わたしたち、は
  
  連続した戦争、の文字は
  電話の音で
  忘れられた


  


自由詩 戦争、 Copyright 空泳 2004-12-15 21:05:39
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