ゼロ
マーブル
いっせいに飛び散る鳥が
意識を疎らにしてくのを
待ち遠しそうにきみは
口笛吹き鳴らしながら
なんだか面白そうに
見おろしていた
片耳しか聞こえやしないよきみは心細そうな声で
嘆いていた
私には左腕しか使えないからそれならこうしよう
あのカモメが滑空した瞬間に初めてのハグをしよう
涙をすぐに拭う癖がついたんだ
いつしか忘れてしまっていた大事なことはこぼすことだ
拭ってばかりの誰かや自分にそう伝えたくて
私たちは
きっと
わらっていた
そしたらつられて
あの梟さんも
ブランコに赤い風船が
引っかかっていてそれを
見上げながらPeaceと叫んでみたら
あの子はみずいろに溶けていったんだ
手をこれでもかっていうくらいブンブン振りながらね
光れば光かるほど
黒い光りもあること
いつからか
追い駆け続けている
これからも
きみとなら
だいじょうぶと
誓いたいのに
きおくのともしびのかたわらでスピードがわれたおとの
のびるほうこうにカーブしてくころにははれるだろう
ぴあのがあくびをしたら
とびあがろう
1日がしんでゆく
そのときまで
しぬほど
はしゃぐなんて
してみたいだけ