カモフラサイエンスニンジャ
さわ田マヨネ

これただの手抜きじゃないのかという
そういうたぐいのあら挽きこしょうがあって
かんではじける火薬感が
くちのなかからあふれそうで
でもとどまってて
それをじっとこらえれば
ぼくも高倉健になれますか

火をつけても炭化するだけのしけた手持ち花火の頭を校庭にこすりつけてっ
「NEW DAYS(新しい日)」と書こうとしたけどうまくできなかった↓

思春期を科学したい
どこかでうまくできなかった
習字は硯に墨をこするところから始めたい
(どこかでうまくできなかった)
イメージする「希望の光」は
直視しようとすると逆光っぽいのがみそで
あいだにパチモノのスポーツブランドをかませてやってもじつにあやふやで
つまりよくできていた

実験と称して体現したい!
そうやってゲームセンターへ行くとびっくりするくらいたくさんのおっさんがいて
メダルゲームをはじめるとなんかレッドジャックポット(?)にあたってメダルが2000枚くらいふえた
舌打ちがきこえた
実際はジャラジャラうるさいからきこえたというより舌打ちはみえたという感覚にちかくて
はだがぞわぞわした
そこには熱量があって
たぶん僕たちは本気でくやしかった

爆発してしまいそうな
それでもおっさんは満員電車に乗り
帰る頃になればゲームセンターもいい感じにくったりしていて
メダルの乱反射なのか
なんだか逆光のなかにいるみたい
ふり返るとうっすらと影がのびていて
ただそれにどんな意味があるわけでもなかった


自由詩 カモフラサイエンスニンジャ Copyright さわ田マヨネ 2012-10-04 13:10:27
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