指輪
はるな


潤みながら飢えている目は
風の日に飛べそうで叩きつけられた原理と似ている
美しくなったら会いに行くわと言う恋人のために用意した指輪は痩せすぎた彼女の指から抜け落ちて朝が来ない

朝は来ない
必要なものもない

渇いてなお飢える目は悲しく
潤みながらも飢える目はもっと哀れで
美しくなったら会いに行くわと言う恋人が会いに来たが判別することができない

いつも
風の日に
飛べそうで
飛んでみれば
叩きつけられるばかりだった



自由詩 指輪 Copyright はるな 2012-10-04 00:24:10
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