桜のようにきえるだけだね
ことこ

渦の中うまれてきたの(かたつむり)シとドの間の宇宙をみてた


世界地図の片隅でそっと競い合うかたつむり(鍵は海に落とした)


両耳に飼っていたかたつむりたちを探しています連らくください


かたつむり色のクリームパイを焼く 横たわるようなかたつむり詰めて


はらからのかたつむりから託されたたまご(海にはもう帰らない)


むり、むりと かぶりをかぶるかたつむり あめかんむりの薬売りたち


カタコトの言葉はつねに破られてかたつむり語の本が燃えてる


彫刻の森で呼吸をするように堆積しているかたつむりの群れ


先端で風にふかれるかたつむり 塩焼きになる日を夢にみて


さみしくてTLに流れてるかたつむりばかりRTする


かたわらで煙草くわえている人はかたつむり語をしゃべっているの


カタカナで発声したらどこかもう知らない異国に住むカタツムリ


記憶からひろいあつめてきたものを発声していくかたつむりから


新品のかたつむり入荷されていて消耗品とよりそっている


たまごからときほぐしても流れ出るかたつむりからかたつむりから


骨ぬきのかたつむりから抜きさったかたつむりかたつむりふれてみる


やわらかな歯形をのこしたかたつむり 桜のようにきえるだけだね


短歌 桜のようにきえるだけだね Copyright ことこ 2012-10-03 20:33:14
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