雨の音を聞きながら書いた詩
rabbitfighter
コーヒーとクッキーとタバコの三者択一をせまられて、
それらの選択肢の詳細を明示されない。
コーヒーはドリップなのかエスプレッソなのか、
クッキーはバターをつかっているのかいないのか、
タバコは香料入りかそうではないのか、
考えているうちに、なにも選択しないまま、時間切れになる。
この部屋は、あまりにも多くの直線が交差していて、
同居人たちの名前を僕はしらない。
それから、丸くなって眠る自由だけが保障されている。
名前を知らない友の、寝息に耳を傾けながら。
つまり直線は、生きている者の輪郭を辿ることが出来ない。
直線は、生きている者の輪郭を辿ることが出来ない。
直線は、生きている者の輪郭を辿ることが出来ない。
君のいるその部屋には、
水で満たされた花瓶があるだろうか、
そこに花は活けられているだろうか、
その花はまだ枯れていないだろうか、
直線は、生きている者の輪郭を辿ることが出来ない、、
果物は甘く熟れているだろうか、
窓は時々開かれるだろうか、
そこから風は吹き込んでくるだろうか、
その風はどんな匂いがして、
そこからどんな音が聞こえて、
同居人たちが、
優しく寝息を立てていて、
やはり君も、彼らの名前を知らない。
なぜなら彼らもまた、何も選択しないままやって来たから。