十月一日の
唐草フウ


いつだって
人は やじるし、だ
変幻自在に曲がる針金製の

伯父は
がんだった
誰にもしらせずに
抗がん剤とむきあう
プライドと
やさしさで
わたしは何もないように過ごす
一日一日が
それは併行した
やじるし
いつかの空をめざすところ
今は、曲げあわない
それでいいのだろう


兄は
見まいへと行った
お互いがもっている
そしてかくしている
それも知ってのこと
だけどしらんふり
兄と伯父のやじるしは
セスナのように
アクロバット
密ですこし濃いものだろう


やじるしはいつか消える
ひこうき雲や虹のよう
た易いおわりかたなど無いと
あなたが言った


空に心が泣き
太陽が燃やす
何かに迷い続ける
風だけが通りすがる














自由詩 十月一日の Copyright 唐草フウ 2012-10-01 11:33:53
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