不正咬合の女
salco

 井桁いげた出歯子でばこの独白



かあさまファワ、親とは

フィた子に指を食べさせファフェるのではありませワフェんのか

あなたは

ファウィしむフィウ赤児にヴィ分の指をお与えになる代り

こんなウィにくい欠乏の容貌にわたフィを育みましウィワフィ

『指を惜フィむならウエハアヴォん分に買い与えなくてはならない』※

かあさまファワ、あなたは

フォんな事ファえお出来でなかった


あなたの手指もとうさまファワあフィゆびも足らぬので

わたフィは、男の指を

ワヴィわりのファいに女の口をこヴィ開けてフェい服のフョう徴に入れたがる

下郎の指を、このウィにくい口腔で

ヴゅんと媚態をウォっ誠心誠フェいフィんフェい意ねぶらなければならない

れてこのかた母体に愛ファれた事がない、

つまり愛ファれる為に生れたのではなかったのでから

寵愛をうフィなうのではと奴隷仕えフィなければならない


かあさまファワ、あなたは

フェん夢見ゆウェウィて棺桶に乗り込んだ、

活かファれようとフィフィ体になってしまフィワった女

あなたは

ワど辺でよフォを羨ウィ、指フィゃぶりと歯噛ウィばかりフィていた

何も出来ないくフェに多くを望みのヴォウィ心に逃げて

ウィヴからの至らなファとあらゆる現フョうの至らなファを言い訳に

愚痴吐きと悔フィなウィだに掻き暮れる、

そんなかあさまファワて置かれ

わたフィ

ワど辺のひとに指フィゃぶりをフィていた


とうとうとうさまファワに愛フォを尽かファれると

あなたは

ファぎ込んで根太のフィたへとウォぐっておフィまいになり

わたフィ

家でウォヴゅファん観の教フィつウォっとっていた

どこかに行ったままワワのあなたをちながら懐かフィゆウェウィ

我に返ると

フォの母子を羨んで指フィゃぶりフィていた

だからこんな歯になってしまフィワった


とウォだちを作らなければ容貌でからかわれ

じめヴィウェられる

お友だちには出フィゃばりと疎

ヘドウォウォ蔑まファげフワれる

中学入学の翌ヴィつわたフィが泣いて帰った時

転校フィたいと泣きゃくるフェさすファフりながら

あなたは

ウフウェの顔をからかった同級フェいの男フィフォだちが悪いとののフィ

呪いの言葉を並べるだけだった


高校の夏休みやフウィワえフィゅう

わたフィマスワフクを外しはヴフィ

フィ列矯フェいを受けさせファフェて欲フィいとお願いると

あなたは怯えたウェになり

ヴィう二年ウォいないとうさまファワを家ブォくてた人でなフィののフィ

呪いの言葉で括っただけ

「それはいくらかかるのだい?」

とのフィゃヴィファウォのしみフィウィ

フィてごヴィ分の指を払おうとはなファらなかった


ヴょう顎突フィゅつと言うので

さしすせそファフィフフェフォ

ファフィフフェフォになるので

まみむめもワウィウウェウォ

ワウィウウェウォになるので

真面目ワヴィウェウォの言いが抜けに聞こえ

はじらいの媚態が気フィょく悪いうフ笑いに見え

ヴァ食事フィょくヴィファえ下品に映るという事で

高校ウォ大学ウォ特別フィょう学金で通フィたわたフィ

だから頭の悪い下フィか寄りつかない

この口ウォとが同ヴィフォだちとおウォフェるので


そしフォフィてわたフィは指をフィゃぶる

寝てウォ覚めファウェウォウォウォ

フェつの間ウォ指をフィゃぶる

フィろくふやけて爪もつウェウォない指ファき

眼窩の中でねぶっている

あゝ、

すすフフり上げてウォすすフフり上げてウォ垂涎フいヴェん

焼き海苔とか昆布とかワカウェが噛ウィ切れない女



  
   (※)…オーギュスト・デロンギ博士著「代償物理学療法研究」より


自由詩 不正咬合の女 Copyright salco 2012-09-30 22:26:28
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