ΙΧΘΥΣ ☆
atsuchan69

そして七色の虹の彩りと、
眩しい雲のカタチナキカタチ
大空を埋め尽くす、風を切る白い翼のある愛ダノ、
――愛ユエノ、激しい憎しみダノ、

 Πανθειον

甘い潮風が私の肌にそよぐ
立ち上がる波に踊る無数の小魚たち
煌めくエメラルドに浮かぶ細かな乳白色の飛沫、
やがて大波に揉まれ崩れる、一瞬の時

もう、ナミダナンカシラナイ
呪われた女神の歌声とともに壊れてゆく
海を臨む故郷の坂道や淡く変色した父の肖像
ただ、裸にされた灯が揺らめく暗い夜に

 安らかであれ‥‥

人気のない波立たぬ水辺に翼を休めて
残された森と湖は、まだ静けさを失ってはいない
鋼鉄の、傷つける罠が漆黒の闇に仕掛けられていてさえ
硬い鱗のある言葉たちは終りの日を眠りつづける








自由詩 ΙΧΘΥΣ ☆ Copyright atsuchan69 2012-09-28 16:26:56
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