ウミネコの国
月乃助

風のしるし
群青の海は、無辺の解放区


人の言う
海の どこかにえがかれているという 境界線を追う
海鳥の巨きな瞳に
偽りは ゆるされず


    線など  ありはしないのです


人が来るそのむかし
鳥族のものたちは、この島にイキヅイテキタ
巣をつくり 子をなした
ここは、われらが家



同じ種でありながら
国にしがみつき わずかばかりの土地を争う
悲しい/哀れな 船が今日もやってくる
知恵のある身なら
この島を 我ら鳥族の保護区にしたらよかろうに、
緩衝地帯/共同所有 自然をまもるため
人のできることなど くさるほどあろうに、



それができぬのなら
我ら海鳥族は、この地を鳥族の自治区として
独立を宣言する



白い自由の
翼の
もとに










自由詩 ウミネコの国 Copyright 月乃助 2012-09-26 22:17:36
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