給水塔はふやけない
はるな


雨がふるので
膝を立てて
まがった指で
生理用品をつけかえる

角に立っている男たちが花売りを罵倒している

走り抜ける街の多さ
どれだけ降っても
給水塔はふやけない

雨がふるので
戸は立てられ
まがった背中に
痙攣する瞼をすりつける

角に立っている花売りが男たちを許している

見たことのあるような世界が続くなか
手のにおいを嗅いでいる
なまぐさい
しめった色を嗅いでいる



自由詩 給水塔はふやけない Copyright はるな 2012-09-25 00:20:42
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