ひかり めぐり Ⅱ
木立 悟






羽が咽を打つ
いつも
目をつむるときに
街の終わりから
目をそらすときに


手のなかに燃えるものが
あざやかに吊るす
昼と午後のあいだの光
暗がりに消える径


灯 鳥 曇
ひとつの珠
真夜中の頂
さらなる上の
光源


羽の輪が
足首にからまる
岩と岩の隙間から
鉄でできた尾が見える


指より高い空の音
眠りのうちに入り込み
胎ふくらます言葉と火花


骨と滝
緑の奥の岩
はじまりを
知らせようとせずに
知らせつづけること


握った手のひらのかたちの灰
雨のなかに置かれている
誰もいない片目から
青空は青空を
さらに青く見つめ返す


双つの半月の雷光が
水の奥にまたたいては消える
白のなかの白の径
影も夜も拒む径


銀の幻に振り返り
多くの指が
ひとつの指であるかのように
幾度も幾度も
足首と咽を確かめながら
終わりの街をすぎてゆく






























自由詩 ひかり めぐり Ⅱ Copyright 木立 悟 2012-09-22 08:57:18
notebook Home 戻る