猫の坂
カマキリ

体育座りから解き放たれた我々が目指すものは
給水塔より遥か東に張り付いている
アーモンド型の月なのである

必要のない嘘をつくのである
ついに我々の背丈を追い抜いた言い訳たちに
弁解の場を与えるのである

背中にゴツゴツとあたるマシンガンは

その青白さを許されるのである

まだとろとろの熱い空気の中なのだ
知ったかぶりの戦車が手招きしている
ほころびはじめたピンヒールが夕焼けを走っている


自由詩 猫の坂 Copyright カマキリ 2012-09-20 22:27:59
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