虹の詩
木の若芽

「虹の詩」
                 木の若芽

   1

虹の線路を敷いていく歌声が
高らかに私の口から響き渡っていく

旧型列車は私を扉の外のタラップにすわらせて
家並みをぬけ 木々をぬって
海と空へ突き抜けた
そこに敷かれていくのが虹の線路

二重の虹が
ときに絡み合い
ときにぶつかり合い
波打ち じぐざぐになり
自由に楽しそうに元気よく
列車の前を水先案内する
イルカの動きをするヘビのように

足下はるか下の海岸線が
複雑に切れ込み突き出して
丘になり谷になり崖になっている上を
緑の草木がおおい
人と動物がゆったりと散らばり
しっとりした水気とさっぱりした空気が包んでいる
この光景を喜ぶ歌声を瞬時に授かったように
私は高らかに声を響かせる
美しい天体の歌声が 私の口から発され
虹の線路の七色のヘビは踊り進む


   2

古い墓をあばいても何もない
大事なものは生き生きと流れているものにある
空が大地に注ぎ込んでいるところを探そう
未来が過去に注ぎ込んでいるところを

詩で時を歩き、越え、渡っていく
橋は仲間と架ける虹だ

虹が空を大地に注ぐ道なんだ

新しい仲間がそれを見せて教えてくれる
私も真似して一緒に架ける
詩の虹、時の橋を
私の立つ足元の大地に空が注がれる道を




自由詩 虹の詩 Copyright 木の若芽 2012-09-20 09:59:51
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