みたまに
そらの珊瑚
気づくと
無意識に祈っている
例えば
エンドレステープのように流れる
交通事故のニュースを見れば
家族の交通安全を祈り
遠い国で
爆撃によって命を落とす人がいるニュースを見れば
平和を祈り
フランダースの犬を観れば
結末は知っているのに
誰か助けてください と
祈る
祈りとは
常に災厄や不幸な出来事と
背中合わせに存在し
あたかも
憎しみあうしかない恋人同士のように
磁石のように
惹かれあっている
この世が幸せのみで
形作られる日がきたら
恋人のことを憎むことからやっと開放され
私は祈りを忘れることだろう
気づくと
無意識に祈っていた
と同時に
私も誰かに祈られているのかもしれない
と思うと
血液が正しく循環し
体温が少し上がるのがわかる
今日も平凡な一日でありますように と
もし
わたしが肉体を失う時が来ても
祈り続けるであろう
それは魂の仕事だから
祈る