みたまに
そらの珊瑚

気づくと
無意識に祈っている

例えば
エンドレステープのように流れる
交通事故のニュースを見れば
家族の交通安全を祈り
遠い国で
爆撃によって命を落とす人がいるニュースを見れば
平和を祈り
フランダースの犬を観れば
結末は知っているのに
誰か助けてください と
祈る

祈りとは
常に災厄や不幸な出来事と
背中合わせに存在し
あたかも
憎しみあうしかない恋人同士のように
磁石のように
惹かれあっている

この世が幸せのみで
形作られる日がきたら
恋人のことを憎むことからやっと開放され
私は祈りを忘れることだろう

気づくと
無意識に祈っていた
と同時に
私も誰かに祈られているのかもしれない 
と思うと
血液が正しく循環し
体温が少し上がるのがわかる
今日も平凡な一日でありますように と
もし
わたしが肉体を失う時が来ても
祈り続けるであろう

それは魂の仕事だから

祈る


自由詩 みたまに Copyright そらの珊瑚 2012-09-20 09:15:37
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