小判せんべい
藤鈴呼


きっと あなたと わたしを
間違えたのでは なく

だれかに 語りかけるように
わたしに 問いかけるように
あなたに 見てもらうように

紡いだ 言葉たちの上を
ソリが 駆け廻る

シャンシャンと 効果音を つけては
季節が 限定されて しまいそうで
そっと 目を つぶるけれど

大豆も アラレも 一緒くたにして
食べて しまいました

南部せんべいは 美味しいのです
岩手屋と もりおか南部せんべいと
色々 店舗は 有るのですが

先日 盛岡駅で 土産用に
小判せんべいを 買いました

旦那の会社の方にも 差し入れを、と
渡しましたところ

これって クッキータイプじゃね? と
右上がりの イントネーションが 響き

毒見したけど 違かったべ! と
フォルテッシモまでは いきませんでしたが

小声で吼えましたる刻には
凍えた消雪パイプから

カモメとカニの 大行進
さっさか さっさか 進みます

私の 視線を 無視しては
とっとと 先に 進みます

嗚呼 それで 良いのです

お先に 失礼しますだなんて
いちいち 断りなんて 入れなくったって
良いのですから

あなたは あなたの道を
堂々と 進んでくれれば
わたしは それで

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自由詩 小判せんべい Copyright 藤鈴呼 2012-09-19 21:01:02
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