【 踊り子 】
泡沫恋歌

赤と黒が点滅する
トランクルームの一室
思考する夜に
コトバは放射線を描き
空気中を飛び交っている

石膏の中の海馬は
熱を帯びて 幻灯機のように
現在と過去を飛来させる
蛋白質 ガーディンは
シナプスをコード化する

懐かしいメロディが
耳の奥 蝸牛を擽って
ああ スカーレット! 
深紅のフレアーが
くるくると回りはじめる

踊っているのは 誰?
踊っているのは 私?

聴こえない振りをして
笑っただけ

名もない女は踊り子だった




自由詩 【 踊り子 】 Copyright 泡沫恋歌 2012-09-18 14:56:11
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