夜明け前
itukamitaniji

夜明け前

夜明けがまだ遠いと歎くよりは
そこから星空を見上げてみてよ
ずっと明けない夜はないから
いつか消えてしまう綺麗な星空を

夢を信じ夢を叶えた者だけが
笑える世界ならばそんなの要らないだろう
何処かで途切れてしまった道の先にも
まだ続きが残っているのだから

心の隅で大事に育てた卵から
望んだものは生まれなかったんだよって

誰かや何かのせいにしては認めずに
愛してやれないその醜さを
怪物は食い散らかして育ちつづけるよ
君の心の形まで変えながら


人が信じられなくなった友達は
扉に鍵を掛けて出て来れなくなった
その「人」の中に僕も含まれているのかい?
だとしたらとても悲しいよな

知らぬ間にもう二度と会えなくなって
君がただの思い出に変わっても

それが良いか悪いかは分からないけど
僕の心に残る君は笑っている時の君だった
思い出して君の心もきっとそうだから
そういう風景で心を埋め尽くして


夜明けがまだ遠いと歎くよりは
そこから星空を見上げてみてよ
僕らもその同じ星空の下に居るって
たったそれだけでいい

たったそれだけ信じてみてよ


自由詩 夜明け前 Copyright itukamitaniji 2012-09-17 12:19:00
notebook Home