なけなしの花
マーブル


天気雨で起きた朝寝坊の日曜日 カーテンを翻している風
ごきげんな空模様に思わず あくびをした

モノクロの虹をおもいだして   くちずさむ唄 

夢見がちなあの子はありったけの想いで あなたにさしだします  
一輪のなけなしの花


いつも風に添い寝する街角をすり抜けると 
どこか知らない場所へとはぐれてしまったような気持ちになります
其処で吹いていた風は 
生き物のように私の帽子をさらっていってしまいました




追いかけて       追いかけて


やっとみつけた帽子は 屋根高くにくるくる廻っている 
風見鶏の上で そっと寝息をたてていました


午後三時になった頃通り雨が降りだし とんぼが一匹窓で雨宿り
なまえをつけてあげようと 思い立ったりする

そんな生温いことをしながら 遊び草臥れていた


あなたはきっと惚けた顏をするのかもしれません
それでも不思議とかなしくはありません




夢見がちなあの子はありったけの想いで あなたにさしだします 
一輪のなけなしの花










自由詩 なけなしの花 Copyright マーブル 2012-09-16 15:20:58
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