スローライフ(八)
信天翁
平均余命が一桁となった
老耄にとって
それは それは 想いがなごむものだ
住宅街を素通りしたとき
たまたま耳にした
おさなごの弾んだ
金切声の基調演説である
ちぎれ雲が浮彫にする
若き日の悔恨
それを背負っての道すがら
アベニューが抱く枯れ葉を
おのれに重ねたとき
おもわず行き交った見知らぬひとに
挨拶をしていた
「こんにちは」
自由詩
スローライフ(八)
Copyright
信天翁
2012-09-15 20:28:44
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