忘れもの
夏美かをる
肩すぼめて
背中丸めて
でも 指先だけは
常に軽やかに踊らせて…
そんなにいつも
誰かと繋がっていたいの?
アドレス帳には200人
このうちの何人と
本当に繋がっているの?
電車の座席に置き去りにされた
ケイタイが
冷たい光を放っている
切り捨てられない
大切なもの全てを
その小さな端末に詰め込んで
さっきまで
それにしがみついて
生きてきたはずなのに
こんなに簡単に無くしてしまうんだね
自由詩
忘れもの
Copyright
夏美かをる
2012-09-15 01:53:56