未来はまだ白紙のまま
竜門勇気


ほんのちょっとだから
俺の恋人になって下さい
歯糞ぐらいにすこしだけ
ダイヤモンドみたいにめんどうな好意で
ちょっとだけ

ほんの少しでいいから
セックスさせて下さい
カーディガンに指を触れて
そんでおしまいだから
それで俺と別れて下さい
それで嫌いになって下さい

あー
いつまでも
いい思い出だけがあるのは
どんな夢のなかなんだろう
頭の中で繰り返すたびに
良かったことも
汚れてしまうよ
こおろぎの羽みたいに
いつまでも震えてはいられない

汚れていないだけの
明日がまた来る
過去は白紙のまま汚れている
絶望を覚えるたびにそれをつきつけられる
ペンが触れなかっただけで
なんども夢は書いたのに


自由詩 未来はまだ白紙のまま Copyright 竜門勇気 2012-09-12 09:28:26
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