aniversary
ブルーベリー

薔薇色の人生だと
傷を歌う君に
しょうもなさすぎて僕は笑った
すると君は真面目な顔で
歌える事が幸せなのだと
傷だらけの
灰色の顔を
誇るように
笑った
誰かと手をつなげること
君に歌を歌える事
それらすべて
自分のもので
こんなに素敵な人生はない!
君は手を広げて
僕の背中を押す
こっちだよって
指し示すように
僕だけの色と
高い体温をくれて
世界中に君を誇りたいのに
僕の手は大きくはない
馴染まない煙草と酒と汗の匂いを
厭い引き摺りながらも
この体温だけは
僕のものだと
抱かれていた
記憶の中


自由詩 aniversary Copyright ブルーベリー 2012-09-11 22:12:39
notebook Home