二重線の輪郭
itsuki


時にいちばん残酷なことを
あなたに言ってやることができた、
献身が刺すようになって
孤独ばかり透明になる
愛憎の宛て


尖る、直接的で暴力的で
いっそう悩ましいものにわたしはなる
ゆるされないことゆるされたくないことを
あなたの背骨のひとつずつに結んでいった
それをしずかに撫でるのが好きだった

悪どさを、
とがめる、
光いっぱいの真昼にはつかれて
薄い幕一枚向こうの
影だけが綺麗になるような、
そんな風なところであなたと
じゅうぶんなだけの息をしていた


透けたら流れて
はなしはじめた口びるが
いやに乱暴にされるのを
そのままにしておくしかなかった


 


自由詩 二重線の輪郭 Copyright itsuki 2012-09-10 04:36:02
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