ハンバーガー屋への道で
番田
フランスには
特に何もなかった
だけど生きているような気がしていた
色の無い景色の中を
僕は 歩いていた
何が僕をそうさせるのか
わからないけれど 歩いていた
体に悪い食べ物ばかりだ
食った気がしない
そして 少なすぎる
ビールをがぶ飲みし コーラをがぶ飲みしていた
アメリカでの生活に心から戻りたかった
地下鉄でじいさんとケンカし
スリの子供たちとにらみ合っていた
スペインに出れば 安らかな生活にありつける
そう 信じていたけれど
*
頭に浮かぶのは逃げ道のことばかり
疲れていた
パリには世界中からの旅行者が集まっている
問題は金が無いと言うことだけ
最近は 日本人の姿は めっきり見かけなくなったけれど
気がついたら 安宿のホテルに女と二人
イカなのかも知れないが
ものすごい格好をして絡み合っていた
タコのようでもある
彼女は何か哲学的な話しをしたがっていたが
言葉は 一つも わからなかった