ハンバーガー屋への道で
番田 


フランスには
特に何もなかった
だけど生きているような気がしていた
色の無い景色の中を
僕は 歩いていた
何が僕をそうさせるのか
わからないけれど 歩いていた


体に悪い食べ物ばかりだ
食った気がしない
そして 少なすぎる
ビールをがぶ飲みし コーラをがぶ飲みしていた
アメリカでの生活に心から戻りたかった


地下鉄でじいさんとケンカし
スリの子供たちとにらみ合っていた
スペインに出れば 安らかな生活にありつける
そう 信じていたけれど



頭に浮かぶのは逃げ道のことばかり
疲れていた
パリには世界中からの旅行者が集まっている
問題は金が無いと言うことだけ
最近は 日本人の姿は めっきり見かけなくなったけれど


気がついたら 安宿のホテルに女と二人
イカなのかも知れないが
ものすごい格好をして絡み合っていた
タコのようでもある
彼女は何か哲学的な話しをしたがっていたが
言葉は 一つも わからなかった


自由詩 ハンバーガー屋への道で Copyright 番田  2012-09-09 02:15:11
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