きらり ひかる
鵜飼千代子
きらりひかる
たあいない ことばのはし
きらりひかる
いたみをのがすてのひら
きらりひかる
「義妹が大腸癌だったんだけど位置がよくて、肛門は残せたの」
「肛門を残せたのは本当に良かった」
話を聞きながら
「肛門を残せた」ことについて
軽はずみな相槌を打つのは
いけないと思った
知らないから
「リンパに転移しているかもしれないから検査の結果待ちなんだけどね」
「肛門が残って良かった」
きらり ひかる
生きていること
あきらめないこと
自由詩
きらり ひかる
Copyright
鵜飼千代子
2012-09-09 02:12:57