さこよんうになちらは。
peau




交差する
わたしは言葉を
絡ませて
たぐり寄せる
あなたを
口に含み
舌の上で転がして
奥歯で噛み砕き
身体中で一番深いところ
朝と夜の境界線が引かれた
あのなにも無い場所に
落とし込んで
覗き込む
耳をそばだてて
飢えた獣のように
ひとつの音も
逃さぬまいと
聞き耽り
浮かび上がった鉱石を
まるいゼラチン質の代わりに
ふたつ
目蓋の奥にしまい込み
またたくと
かがやく光といっしょに
あなたもわたしも消えてしまった






自由詩 さこよんうになちらは。 Copyright peau 2012-09-06 22:12:06
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