「こおりがとけるまで」
ベンジャミン

よくなくきみがなかなくなった

あえば「だいきらい」っていってたきみが
ほんきでみらいをみつめようとしてから
ぼくのめをみてはなしてくれる

よくなくきみがなかなくなった

くちもとがふるえてへのじになるのを
かたてでふさいでぐっとこらえる
そのいっしゅんをのみこんで

よくなくきみがなかなくなった

    ※

じゅぎょうがおわっていえにかえる

れいとうこからこおりをだして
つめたいこおりみずをつくる

ほほにあてるとそのつめたさにおどろく

これほどのつめたさをかんじて
きみがなくのをこらえるようになった
そうではないことをしんじて

こおりがとけるまで

ぼくはそのばしのぎのやさしさを
きみがなくのをこらえるように
ちらつかせたりはしない

よくなくきみが
ほんきでみらいをみつめてから

ぼくはじぶんのなかのこおりをすこしずつ
きみのみらいがすけてみえるころまで
ただすこしずつとかそう

こおりがとけるころ
ただきみがえがおになれたらいいと

きょうもつめたいこおりみずを
むねにすいこむようにのみほしている
  
 


自由詩 「こおりがとけるまで」 Copyright ベンジャミン 2012-09-06 01:12:01
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