しずかな午後
朧月
老人ホームでは
いねむりするひとが多い
あっちで うとうと
こっちで こっくり
いっしょうけんめいに
ねむっている
そのしずかな風景は
さなぎの待機のようだ
白い髪にときが重なりあって
細い肩に
背負ってきた歴史が羽毛になってふわふわと
羽ばたいてゆく
老人ホームのさなぎたちは
私になつかしさを与えてくれる
自由詩
しずかな午後
Copyright
朧月
2012-09-05 17:06:22