サイレントマジョリティに罪は無いか
Ohatu


 ここ2回ほど、批判的な詩を書いている。
 かっとなって殴り書いた、というのはその通り。
 その意味では反省している。ぺこり。

 「アジビラだ」とのコメントもいただいた。
 それはきっとそうなんだろう。ただし、もし、詩を
 読んだ人の中に僕が日本国の軟弱な外交姿勢を批判
 していると感じた人がいるとすれば、それは誤解だ。

 僕は、政府が、どうあるべきということを言ってい
 ないし、言うつもりも無い。ただ一言、

 「マジョリティは黙るな」

 と言うことである。例えばこの日中韓の問題で言え
 ば、大多数の意見は、

 「最近の中韓のやり方は強引に思える。もちろん、
 日本政府の対応も不可解だ。しかし、なぜ、争い、
 罵り合わなければならないのか。同じアジアの、し
 かも文化的にも人種的にも世界レベルで見ればほと
 んど類似と言って良い人たちが、なぜ仲良くやれな
 いのか。」

 という戸惑いでは無いかと信じる。そう戸惑ってい
 る人が、韓国との国交を断絶すべきと主張する人た
 ちに比べて圧倒的に多いと信じている。
 確かに戸惑いは声になりにくい。具体的な行動を示
 せと問い詰められると答えに窮するかも知れない。

 だからと言って、黙って良いというわけではない。

 理由は簡単。マジョリティが黙ると偏った主張ばか
 りが良く聞かれるようになる。そうなると、人間は
 徐々に洗脳されていく。ひとつの意見ばかりを聞い
 ていると基本的にその意見を是とするようになるも
 のなのだ。これは消費税のことでも言える。消費税
 の場合は政府他の情報操作だが、この嫌韓嫌中も、
 自然発生的な情報操作の状況に陥っている。
 そして最後は、偏った主張が市民権を得るようにな
 る。それは戦争につながる可能性を秘めていると、
 僕は思う。

 もうひとつ、中国や韓国に居る人は、基本的には、
 インターネットによって日本の人たちの意見を知る。
 すると当然、過激で排他的な意見が、日本人の主流
 なんだと感じるだろう。大多数の日本人が持ってい
 るはずの「できれば隣国とは仲良くやりたい」とい
 う気持ちは伝わらない。そうすると、相手の感情も
 悪くなり、事態は悪化してゆく。

 中国で、丹羽駐中大使のコメントが好意的に取り上
 げられたのはとても印象的だった。それは、ネット
 で詳しく読めるが、

 「両国の関係は夫婦同然、好きであろうと嫌いであ
 ろうと、大喧嘩しようとも、別れたくとも別れられ
 ない関係」「だからこそお互いを理解し、歩み寄る
 ほか無い」

 という内容だ。この発言は中国では比較的好意的に
 受け止められている。日本人はこの発言に嫌悪感を
 感じるだろうか。僕は、少なくともそうは感じない。
 至極まっとうな発言だ。と同時に、かなり大多数の
 人の本音では無いかと思う。

 少なくとも、尖閣や竹島に軍隊を派遣し強固な実行
 支配を確立した上で両国と断絶する、と考える人よ
 りは、確実に多いはずだ。

 ある意味当たり前のことだ。
 だけど、当たり前のことを言い続けることが大切だ。
 これこそが日本のマジョリティの思想であると、伝
 えることが大切なのだ。

 大多数の中国人はある意味日本人よりも情に厚い。
 四川の大地震のとき日本人が駆け付けたことで、日
 本人を悪く言うのをやめたという人がたくさんいる。

 韓国人の中には、なぜか大多数の日本人が韓国人を
 見くだしていると感じている人が多い。その誤解が
 解ければ、割と仲良くやれる。

 ネットで悪口を書いている日本人が、日本人の全て
 ではないように、デモをして日本車や日本の国旗を
 破壊する中韓の人々も決して多数派では無い。

 しかし、多数派が声をひそめれば、そういう過激な
 意見がどんどんと勢力を増し、最終的には本当に多
 数派になってしまうことも無いわけではない。

 だから、その恐怖から、こんなことを書いているの
 です。

 さて、ところで。これも、アジビラなのだろうか。




















 






 
 



 




















散文(批評随筆小説等) サイレントマジョリティに罪は無いか Copyright Ohatu 2012-09-04 04:36:48
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