風の球体
朧月
巨大な扇風機をもってしても
私のなにもかわらずに
ぐるぐるとかきまぜられるだけのようです
この扇風機は私がもってきた
うまれたときからずっとずっと
かわれかわれと願いながら
この道 目の前の
なんにもかわらない道を
歩いてきたし
歩いてゆく
扇風機よこの風よ
ひとびとを
私を
かわらずかきまぜてください
ときに背中をおし
ときに壁になりとどめて
かんがえる時間をあたえてください
そんなおおきなまとまりのない
うずの 風の中が
私たちのいる地球なのです
自由詩
風の球体
Copyright
朧月
2012-09-03 22:02:31
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