左脳の時間
草野春心



  椅子の上に
  左脳がひとつ置かれていた



  色褪せた譜面から
  いくつかの音符はこぼれ
  床のうえでひょこひょこ跳ね
  透き通った窓は、わたしたちと
  青空とを隔て



  わたしたちは
  この無名の時間を
  ちいさな空箱の中に
  丁寧におりたたんでしまいこんだ




自由詩 左脳の時間 Copyright 草野春心 2012-09-02 09:55:36
notebook Home 戻る