冬の本質
綾野蒼希
窓の外に広がる
冬枯れの野山の風景
冬の朝は好きだ
空気を吸うと
肺がきりっと引き締まる
首をすくめ
手を擦り合わす
季節は土の中から作られる
今ごろ
冬眠中の動物たちも
それに一役買っているのか
立ちのぼる白い息
(まぶたの裏側で)
そっと霜柱を踏みつぶす
(まぶたの裏側で)
蜂蜜を溶かし込んだ
温かいミルクを飲む
雪の遥か向こうに
冬の本質が隠れている
自由詩
冬の本質
Copyright
綾野蒼希
2012-08-31 11:10:36
縦