ポイントいりません(日々誘惑する記憶たちのお墓をつくる)
モリマサ公

朝の3時半におきて4時半に家をでる
あかるくない
という目でみたから
その時点ではまだ
わたしの足下はくらかった
さようなら
さみしかった世界
と蝉たちがうたう
いつもの約束
いつもどおり美しい夜が
確実にあけてく
つくばから常磐道
首都高
中央道をへて調布インター
あのころはまったく
ほんと考えもしなかった
6時少し前
いくつもある
待ち合わせの
ひとつが
いまここに

こんなふうに
わたしたちは合流する

あすこからここまでの道のり
繰り返して
自動販売機にごめんねっていう

すごく悪い子だった常に
すごく悪い子だった常に

すっかり白っぽく
日が昇った
どこにでもある
朝の途中
釈迦堂のパーキングで
あたりまえみたく
温泉卵いりの
あったかいそばを食べてる
こんなふうに
わたしたちは
ある意味
どこにでもいる
恋人どうし
てきな感覚で
はじめて
なにげなく手をつないだ
車に戻るまでの
毛穴呼吸30秒
ぜんぜんおわらない超いい感じ
がはじまって
永遠におわる

本能的に深まる限界
わすれてない果てしなさ
あの日
ひろがっていく声
それをわたしたちは空と呼びます
消えない雨
ふりっぱなしの隙間
裏返る瞬間
日々誘惑する
記憶たちのお墓をつくる


地球の花びらを全部むしって
火星で花火して
太陽の中にねむる
惑星になってもかえってこないで

すごく悪い子だった常に
すごく悪い子だった常に


 


自由詩 ポイントいりません(日々誘惑する記憶たちのお墓をつくる) Copyright モリマサ公 2012-08-25 01:18:35
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