横断歩道
吉岡ペペロ

駅から流れる

家路を辿るひとの群れのなかで

ただ恐かった

人生や血脈が

にほん足でとぼとぼ歩いていた

それが恐くて


点滅する信号を見つめていると

生きている意味を見失いそうになる

泣きたいのかな、俺

笑いたいのかな、俺

横断歩道の鍵盤を見つめている

世界がだれもいないふりをしている


駅から流れる

家路を辿るひとの群れのなかで

ただ恐かった

人生や血脈が

にほん足でとぼとぼ歩いていた

それが恐くて







自由詩 横断歩道 Copyright 吉岡ペペロ 2012-08-25 00:05:31
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